界面活性剤という言葉を聞いたことがありますか?
少し成分に詳しい方や、成分を意識している方はご存知かもしれません。
また、知らなくても「界面活性剤は危険だよ」ということを聞いたことがあるかもしれません。
なので、今回は界面活性剤についてお伝えします。
特徴やお肌への影響をお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
こんな方におすすめ
- 界面活性剤を気にしている
- お肌が弱い
- 敏感肌やアトピー性皮膚炎
- 美肌を目指している

記事の内容
- 界面活性剤は悪い成分?
- 合成の界面活性剤=危険という認識も間違い
- 界面活性剤の種類
- 刺激や毒性を持つ界面活性剤
- 無毒 &低刺激の界面活性剤
界面活性剤は悪い成分?
まずはじめに、「化学物質は悪いもの」と思っている人はとても多いです。
とはいえ、実はこの世の中に化学物質ではないというものは存在しません。
水も化学物質ですし、人の身体もすべてアミノ酸や炭水化物などの化学物質で構成されています。
さらに、植物の細胞や木の幹なんかも、組成を読み解いていけばセルロースなどの化学物質です。
このように化学物質には様々なものがあります。
食べて栄養になる良いものもあれば、中には危険な毒物もあります。
同じように「界面活性剤は良くない化学物質なんじゃないか?」と思っている人もいるかもしれません。
とはいえ、界面活性剤というのは特定の化学物質のことを言っているのではありません。
主に、水と油を混ぜあわせることができる物質をまとめてそう呼びます。
たとえば、牛乳にも界面活性剤が入っていることになります。
牛乳は、乳脂肪と水分を乳化していて、これは「カゼイン」というタンパク質です。
つまり、そういう力があれば何でも界面活性剤と呼べてしまうので、一概にすべてが悪いというのは間違った認識です。
合成の界面活性剤=危険という認識も間違い
とはいえ、もちろん色んな種類があるので、界面活性剤の中には確かに悪いものもあります。
以前、点滴に界面活性剤が混入して人が亡くなるという事件が起きました。
そのとき混入した界面活性剤は、「塩化ベンザルコニウム」という成分で、界面活性剤の中でも特に強い毒性を持つものでした。
一方で、卵黄にも含まれている「レシチン」などは食べても安全な界面活性剤です。
他にも、食品添加物には合成の界面活性剤もたくさん使われています。
インターネットなどで「この成分は合成の界面活性剤だから危険」と叩かれたりしていますが、合成=危険という認識も間違いです。
大抵のものはとても安全です。
界面活性剤の種類
それでは界面活性剤の種類をお伝えします。
成分の例は少し詳しく書かせていただいてます。
難しいのであまり気にされない方はスルーでOKです。
興味がある方はスクリーンショットをしてメモしておいてください。
界面活性剤は、静電気を帯びるかどうかで、大きく以下の4つの種類に分けられます。
「刺激や毒性を持つ界面活性剤」
・主に洗剤に使われる「陰イオン界面活性剤」
・リンスや柔軟剤の「陽イオン界面活性剤」
「無毒 &低刺激の界面活性剤」
・ベビーソープの主成分「両性イオン界面活性剤」
・化粧品の乳化剤など「非イオン界面活性剤」
刺激や毒性を持つ界面活性剤
・主に洗剤に使われる「陰イオン界面活性剤」
「陰イオン界面活性剤」は1番身近なもので、石けんやシャンプーなどよく使う洗剤類のことです。
泡が立つ一般的な洗剤は、基本的に陰イオン界面活性剤と考えてもらってOKです。
マイナスの静電気を生じることで、ごくごく弱い刺激になります。
なので、長時間接触すると肌荒れの原因になってしまいます。
注意しましょう。
「陰イオン(アニオン)界面活性剤の特徴」
●主に『洗剤』として利用される
●シャンプーの主成分
●触れた対象にマイナスの静電気を与える
●弱い皮膚刺激があるものが多い
●アルカリ性で洗浄力が増す
「成分の例」
・高級脂肪酸塩(石けん)=石けん素地、オレイン酸Kなど
・ラウリル硫酸塩=ラウリル硫酸Na、ラウリル硫酸アンモニウムなど
・スルホン酸塩=直鎖アルキルベンゼンスルホン酸NAなど
・ラウレス硫酸塩=ラウレス硫酸Naなど
・ラウレスカルボン酸塩=ラウレス-5-カルボン酸Nなど
・アルカロイルアミノ酸塩=ココイルグルタミン酸TEAなど
・リンスや柔軟剤の「陽イオン界面活性剤」
「陽イオン界面活性剤」はプラスの静電気を帯びる性質があります。
つまり、洗剤で帯電したマイナス静電気を中和するので、衣類用の柔軟剤やリンスなどの主成分として配合されています。
実は、このタイプは界面活性剤の中でも特に毒性が強いです。
体内に摂取すると死に至るものもあります。
その理由は、生物は体内の細胞がマイナスに耐電しているからです。
陽イオン界面活性剤が体内に入ってくると、細胞の静電気バランスが破壊されるため、強力な毒物になるということです。
このような性質上、「殺菌剤」などに利用される成分もあります。
「陽イオン(カチオン)界面活性剤の特徴」
●主に『柔軟剤』として利用される
●リンスやトリートメントの主成分
●触れた対象にプラスの静電気を与える
●毒性や皮膚刺激が強めのものが多い
●殺菌消毒作用がある
「成分の例」
・第四級アンモニウム塩=塩化ベンザルコニウムなど
・第三級アミン塩=ステアラミドプロピルジメチルアミンなど
・カチオン化ポリマー=ポリクオタニウム-10など
無毒 &低刺激の界面活性剤
・ベビーソープの主成分「両性イオン界面活性剤」
「両性イオン界面活性剤」は、同じ分子中にマイナスとプラスの静電気のどちらも持つ特殊な界面活性剤です。
洗剤としても柔軟剤としても使えますが、毒性や刺激はほぼゼロです。
天然の界面活性剤には両性系のものが多く、代表的なものに卵の黄身の成分「レシチン」が拳げられます。
ただし、天然界面活性剤は乳化剤としては優れたものが少なく、レシチン以外の実用例はほぼありません。
「両性イオン界面活性剤の特徴」
●主に洗剤として利用される
●ベビーシャンプーなどの主成分
●毒性や皮膚刺激をほとんど持たない
●酸性で柔軟剤、アルカリ性で洗剤になる
「成分の例」
・コカミドプロピルベタイン
・ラウロイルヒドロキシスルタイン
・ラウラミンオキシド
・ラウラミドプロピルベタイン
・化粧品の乳化剤など「非イオン界面活性剤」
「非イオン界面活性剤」は静電気を一切帯びない界面活性剤で、毒性や刺激をほぼ持ちません。
とても安全性が高く、食品添加物や化粧品、クレンジングの乳化剤に使われています。
また、繊維に負担を与えない洗剤としても注目されています。
ただし、非イオン界面活性剤のすべてが合成成分なので「合成成分だから危険」と嫌われがちです。
実は非常に優秀な成分です。
「非イオン(ノニオン)界面活性剤」
●主に洗浄助剤や食品添加物として利用
●水中で静電気を帯びない
●毒性や皮膚刺激がほぼゼロ
●親油性に優れ脱脂力が高い
●非常に安全性が高いがすべて合成成分
「成分の例」
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル
・アルキルグルコシド
・PEG-○水添ヒマシ油
・イソステアリン酸ソルビタン
・ステアリン酸グリセリル
※○には数字が入る
今回のまとめ
界面活性剤というのは特定の化学物質のことを言っているのではありません。
なので、界面活性剤がすべて悪いというのは間違った認識です。
化学物質には様々なものがあり、食べて栄養になる良いものもあれば、中には危険な毒物もあります。
一概に「界面活性剤は悪い」という認識を見直しましょう。
とはいえ、もちろん悪いものもあります。
大事なことは、界面活性剤に対してある程度の知識を入れておくことです。
界面活性剤の種類は
「刺激や毒性を持つ界面活性剤」
・主に洗剤に使われる「陰イオン界面活性剤」
・リンスや柔軟剤の「陽イオン界面活性剤」
「無毒 &低刺激の界面活性剤」
・ベビーソープの主成分「両性イオン界面活性剤」
・化粧品の乳化剤など「非イオン界面活性剤」
このようなものです。
ぜひ参考にしてみてください。
ではまた!